


初期伊万里の小皿(塩皿)
本作は、初期伊万里の特徴である、素朴で力強い染付の幾何学模様が施された小皿です。
元々は1/4ほどが大きく欠損しておりましたが、日本の伝統的な修復技法である「金継ぎ」によって、見事に現代に蘇りました。
修復のポイント
- 炭蒔き(すみまき):欠損部分を埋めた樹脂の表面に、炭粉を蒔く「炭蒔き」を施すことで、マットで重厚な質感を生み出しています。
- 金蒔絵(きんまきえ):炭蒔きを施した上から、さらに金粉を蒔く「金蒔絵」で、華やかな金の輝きを与えています。
見どころ
表と裏の異なる表情:
表(image_0.png): 炭蒔きのマットな黒と、金蒔絵の輝きが織りなす、深いコントラストが魅力です。初期伊万里の染付との調和も見事です。
裏(image_1.png): 漆黒の炭蒔きの中心に、赤い糸のような繊細な模様が描かれています。まるで、欠損した器の記憶を呼び覚ますかのような、神秘的な美しさです。
「傷」を「美」へ: 欠損という器の「傷」を隠すのではなく、金継ぎという技法によって「新たな美」へと昇華させています。
初期伊万里の歴史的な価値と、伝統的な修復技法が生み出す、唯一無二の芸術作品です。

