


寸法:長径約10.0cm×短径約9.0cm 高さ約8.3cm
重さ:約269g
修復:呼継ぎ 復旧修復 金継 金蒔絵
初期伊万里の陶片を幾重にも継ぎ合わせ、さらに呼継ぎの技法を用いて他の陶片を融合させ、欠損部分を樹脂で補い、金継ぎにより新たな命を吹き込んだ茶碗です。
かつては散逸した断片にすぎなかったものが、修復を経て一碗として甦ることで、その姿から初めて「小服の茶碗」であったことが明らかになりました。往時、このような器が確かに注文され、茶の湯の場を彩っていた事実を、今に伝えてくれる作品です。
金銀の輝きとともに刻まれた歴史の痕跡は、欠けや継ぎを超えて美へと昇華し、初期伊万里の風雅と時代の息吹を感じさせます。単なる陶片を超え、過去と現在を結ぶ「復活の茶碗」として、その存在は一層の価値を帯びています。