窯から出されると茶碗はすぐに投げ捨てられて割れた。
出来損ないと言われた。
ただの一度も使われなかった。
雨に打たれ、風にさらされていつか土の中に埋もれた。
四百年間、眠った。
ある日、鍬が当たって地表に出た。畑の邪魔もんと呼ばれた。
一人の男に拾い上げられた。初めて洗われた。
次に目が覚めたとき、かけらとかけらはきれいに継ぎ合わされていた。
やさしく手に包まれる。
だれもが大事に扱ってくれる。
茶碗として生きる、と決めた。
これから百年、二百年と生きてやる。
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金継 KINTSUGI
鶴田 純久TSURUTA YOSHIHISA
住所:佐賀県西松浦郡有田町泉山1-28-23
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