


初期伊万里 祥瑞紋半筒小服茶碗(修復・金蒔絵)
〜陶片から甦った、掌(たなごころ)に収まる愛らしき古器〜
【解説】
初期伊万里の時代に作られた、祥瑞(しょんずい)様式の幾何学文様が美しい半筒茶碗です。
本作品は、陶片の状態から丁寧に呼び戻し、欠損部分を漆と金蒔絵によって大胆かつ繊細に復旧・修復いたしました。
特筆すべきは、そのサイズ感です。陶片のままでは想像し得なかったその全貌は、復元して初めて「思った以上に小ぶり」で愛らしい小服茶碗であることが判明しました。掌にすっぽりと収まるこのサイズは、当時の茶人たちの間で、こうした小服茶碗への注文や需要が確かに存在したことを静かに物語っています。
【見どころ】
青と黒の対比(コントラスト):
オリジナルの染付による精緻な祥瑞紋の「青」と、大きく欠損した部分を補う漆黒の「黒」。この二つの世界を、金継ぎのラインと、縁(口縁)に施された金蒔絵の文様が繋ぎ合わせています。修復部分にあえて元の文様を金で描き写すことで、片身替わりのようなモダンな景色(デザイン)へと昇華されています。
歪みの美:
真円ではなく、少し押し潰したような楕円の口作りは、手取りの良さを生み出すとともに、初期伊万里特有の奔放さと味わい深さを感じさせます。
【仕様・寸法】
区分: 初期伊万里 / 祥瑞様式
技法: 復旧修復、金継、金蒔絵
寸法:
口径(長):三寸六分五厘(約110mm)
口径(短):二寸三分五厘(約71mm)
高さ:二寸四分(約72mm)
重量: 220g

