

このマグカップは、取っ手が割れてしまいましたが、幸いにも破片がすべて揃っていました。時間をかけて丁寧に繋ぎ合わせ、元の姿に見事に復活させることができました。
仕上げには、割れ目を活かす日本の伝統技法である金での蒔絵を施しました。青と白のグラデーションが美しい陶器に、金のラインが加わることで、単に元に戻っただけでなく、割れる前とは異なる新たな命と美しさが吹き込まれています。
画像1.取っ手が割れて破片となったマグカップ。この状態から修復作業がスタートしました。
画像2.金継ぎによって修復を終えた完成品。金の蒔絵が割れ目をアートに変え、唯一無二の魅力を持つマグカップとして蘇りました。
「割れ」を「景色」として楽しむ。このマグカップは、日本の「もったいない」精神と、物を大切にする心が生んだ、まさに特別な一品です。

