金継ぎを受け賜っています。お気軽にお問い合わせ下さい。

青唐津ぐい呑|金と銀、そして鎹(かすがい)が織りなす新たな景色

今回は、味わい深い「青唐津(あおからつ)」のぐい呑の修復事例をご紹介します。
長い時を経て愛用されてきた器には、予期せぬ割れやヒビが入ることがあります。しかし、それを単に直すだけでなく、新たな魅力を加えるのが修復の醍醐味です。
今回は「金継ぎ」と「鎹(かすがい)継ぎ」を組み合わせた、特別な合わせ修復を行いました。
青唐津の肌に映える、こだわりの「合わせ修復」
まず目を引くのは、器の胴に入った大きな亀裂を繋ぎ止める、一本の金属のパーツ。 これは「鎹(かすがい)」と呼ばれる伝統的な修復技法です。
「子は鎹(かすがい)」ということわざでも知られるように、離れたものをしっかりと繋ぎ止める役割を果たします。今回は、青唐津の渋みのある釉薬の色調に合わせ、銀製の鎹を使用しました。
鉄製の鎹のような武骨さとは異なり、銀特有の静かで凛とした輝きが、土の温かみの中に洗練されたアクセントを加えています。
金と銀が織りなすグラデーション
そして、亀裂を覆う漆のライン(金継ぎ)にも、この器ならではの遊び心を施しました。
単一の金で仕上げるのではなく、金から銀へと移ろうグラデーションで仕上げています。
画像をご覧いただくと、見込み(器の内側)から外側へかけて、光の加減で表情を変える繊細な色調を感じていただけるかと思います。このグラデーションが、青唐津の複雑な釉薬の流れと調和し、まるで最初からそうであったかのような一体感を生み出しています。

景色としての修復
・銀の鎹(かすがい)による構造的な強さと金属的な美しさ。
・金銀グラデーションによる優美なライン。
この2つの要素が重なり合うことで、ただの「修復跡」ではなく、このぐい呑だけの特別な「景色」として生まれ変わりました。
酒を注ぎ、器を傾けるたびに、金と銀、そして鎹が放つ光が、晩酌のひとときをより豊かに彩ってくれることでしょう。

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